Frostっぽいプログレバンドを探してみた
こんにちは。
若いプログレ好きの方と話すと
「Frostみたいなバンドありませんか?」と聴かれることがあります。
Frostとは2006年にデビューした比較的新しいバンドで、再始動
イット・バイツのフロントマンであるジョン・ミッチェルや
IQのリズム隊が在籍したスーパーバンドでもあります。
アルバム2枚とライブ盤を発表しましたが、残念ながら2010年に
活動休止を発表しています(追記:2013年に活動再開!)
自分もスタジオ盤2枚は入手済みなのですが、たしかにFrostは
おもしろいバンドです。特に1stの表題曲でもあるMilliontownは傑作で、
華麗かつ清々しいメロディに、確かな演奏力でテクニカルに弾きまくる
キーボードとギターの応酬が素晴らしく、泣きのメロディはそのままで、
音楽性は70年代のプログレ全盛期でも見つからない輝きを持った傑作です。
2作目は堅実な作風になり独特の疾走感は薄くなりましたが、
より硬派に洗練された正統派UKロックという音楽性は印象的です。
ということで、古参も新参もプログレ好きは是非聴くべし
というFrostなのですが、同じ傾向のバンドがあるかと聴かれれば、
これがなかなか見つからない…。
Frostは歌も演奏力の高さも勿論なのですが、なにより楽器の音色が
全体的に新しい。メロトロンやミニムーグだけ使った、なんちゃって
70年代志向プログレバンドとはわけが違います。70年代プログレの
知識があっても、似たようなバンドを探すのは難題と言わざるおえません。
とはいえ、せっかくFrostからプログレに興味を持った人が、仕方なく
初期フロイド聴いてトラウマ持って投げ出すなんて悲劇が起こらない
可能性も否定できません。今回は自分の知ってる範囲でFrostっぽい
プログレを紹介したいと思います。
先ほどの記述と重複しますが、Frostの音楽の特徴を整理すると
下記の3つが挙げられます。
1.癖が無く達者なボーカル
2.テクニカルで若干メタル風味なギター
3.弾きまくりで太いシンセ音が特徴の新しめなキーボード音
改めて整理すると、70年代黄金期のプログレに全くかすらない・・・。
黎明期のプログレが如何にブルーズやサイケの影響を受けていたのか
よくわかります。
以上の3点に該当しそうなプログレ盤を探してみると、候補に
上がるのは以下の作品です。
・The Flower Kings/Alive on Planet Earth
ロイネ・ストルト率いるスウェーデンのフラワーキングス。
デビューは90年代ですが、キャリア・実力・人気とも現代のプログレ界では
間違いなく中堅以上の存在です。
全体的に新しめな音色ですが、70年代プログレもしっかりリスペクト
しているので聴きやすく、新旧プログレファンにも盤石の構えで隙がありません。
本作は海外公演と日本公演の模様を収録した2枚組ライブ盤。海外盤のみ
流通していますが、ベスト盤的なラインナップなので初心者にもオススメです。
・Trespass/morning Right
Trespass - Morning Lights (2006) (PARTE 1 DI 3)
Frostといえば弾きまくりなキーボードが印象的ですが、そういう系統で
新しいバンドといえば、イスラエルのトレスパス。往年のプログレミュージシャンで
たとえるなら、第2期UKにリックウェイクマンが参加して、エディ・ジョブソンが
バイオリンの代わりにフルート吹いてみた感じ。ギターは無いですが、とにかく
キーボードの奔流と、それに絡むフルートの力強い息吹のハーモニーは圧巻で、
是非聴いて欲しい一枚です。CDの入手は非常に難しいですが、Amazonで
MP3配信されているのが確認されています。
・シメサバツイスターズ/Programatica
色々聴いてみて、一番Frostに近いんじゃね?と思ったのが、このアルバム。
いわゆる同人音楽CDですが、メタルっぽいギター、弾きまくりなキーボード、
そして透き通るように綺麗な歌声(のボーカロイド)と、最後だけ変化球ですが、
それでも全体の仕上がりはなかなかのもの。同じ方向性でプログレ作ってる
バンドは日本のプロにもいないんじゃないでしょうか。自分も最初聴いた時は
ピンときてなかったですが、後から凄いことやってるサークルだと実感しました。
シメサバツイスターズは京都・関西を中心に活動する同人音楽サークルで
(個人サークルの模様)、主催で作詞・作曲・キーボード担当のシメサバさんは
HR/HM、フュージョン、プログレ好きとのこと。その影響を大きく受けた変拍子多めの
音楽とボーカロイドを使用した自由奔放な楽曲は、一癖も二癖もある曲者揃いですが、
変に凝り固まった懐古プログレにはない輝きがあります。
上記のクロスフェードデモの他、ニコニコ動画に多数動画が投稿されています。
アルバムはほとんどイベント販売のみという状況のため入手は難しいですが、
先述のニコニコ動画の投稿作を観るほか、次作のシスターグロテスク アンド ザ ロキソニック
ポップヘッドマザーズは若干在庫がある模様なので紹介を。シングル中心のアルバムですが、
なかなか面白いです。
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/11/09/040030110986.html
ということで、Frostっぽいプログレバンド紹介でした。ホントは
新生イット・バイトとか聴き込んでから書こうと思ったのですが、
それだと時間がかかりすぎるので…。機会があれば第2回もやりたいと
思います。
若いプログレ好きの方と話すと
「Frostみたいなバンドありませんか?」と聴かれることがあります。
Frostとは2006年にデビューした比較的新しいバンドで、再始動
イット・バイツのフロントマンであるジョン・ミッチェルや
IQのリズム隊が在籍したスーパーバンドでもあります。
アルバム2枚とライブ盤を発表しましたが、残念ながら2010年に
活動休止を発表しています(追記:2013年に活動再開!)
自分もスタジオ盤2枚は入手済みなのですが、たしかにFrostは
おもしろいバンドです。特に1stの表題曲でもあるMilliontownは傑作で、
華麗かつ清々しいメロディに、確かな演奏力でテクニカルに弾きまくる
キーボードとギターの応酬が素晴らしく、泣きのメロディはそのままで、
音楽性は70年代のプログレ全盛期でも見つからない輝きを持った傑作です。
2作目は堅実な作風になり独特の疾走感は薄くなりましたが、
より硬派に洗練された正統派UKロックという音楽性は印象的です。
ということで、古参も新参もプログレ好きは是非聴くべし
というFrostなのですが、同じ傾向のバンドがあるかと聴かれれば、
これがなかなか見つからない…。
Frostは歌も演奏力の高さも勿論なのですが、なにより楽器の音色が
全体的に新しい。メロトロンやミニムーグだけ使った、なんちゃって
70年代志向プログレバンドとはわけが違います。70年代プログレの
知識があっても、似たようなバンドを探すのは難題と言わざるおえません。
とはいえ、せっかくFrostからプログレに興味を持った人が、仕方なく
初期フロイド聴いてトラウマ持って投げ出すなんて悲劇が起こらない
可能性も否定できません。今回は自分の知ってる範囲でFrostっぽい
プログレを紹介したいと思います。
先ほどの記述と重複しますが、Frostの音楽の特徴を整理すると
下記の3つが挙げられます。
1.癖が無く達者なボーカル
2.テクニカルで若干メタル風味なギター
3.弾きまくりで太いシンセ音が特徴の新しめなキーボード音
改めて整理すると、70年代黄金期のプログレに全くかすらない・・・。
黎明期のプログレが如何にブルーズやサイケの影響を受けていたのか
よくわかります。
以上の3点に該当しそうなプログレ盤を探してみると、候補に
上がるのは以下の作品です。
・The Flower Kings/Alive on Planet Earth
ロイネ・ストルト率いるスウェーデンのフラワーキングス。
デビューは90年代ですが、キャリア・実力・人気とも現代のプログレ界では
間違いなく中堅以上の存在です。
全体的に新しめな音色ですが、70年代プログレもしっかりリスペクト
しているので聴きやすく、新旧プログレファンにも盤石の構えで隙がありません。
本作は海外公演と日本公演の模様を収録した2枚組ライブ盤。海外盤のみ
流通していますが、ベスト盤的なラインナップなので初心者にもオススメです。
・Trespass/morning Right
Trespass - Morning Lights (2006) (PARTE 1 DI 3)
Frostといえば弾きまくりなキーボードが印象的ですが、そういう系統で
新しいバンドといえば、イスラエルのトレスパス。往年のプログレミュージシャンで
たとえるなら、第2期UKにリックウェイクマンが参加して、エディ・ジョブソンが
バイオリンの代わりにフルート吹いてみた感じ。ギターは無いですが、とにかく
キーボードの奔流と、それに絡むフルートの力強い息吹のハーモニーは圧巻で、
是非聴いて欲しい一枚です。CDの入手は非常に難しいですが、Amazonで
MP3配信されているのが確認されています。
・シメサバツイスターズ/Programatica
色々聴いてみて、一番Frostに近いんじゃね?と思ったのが、このアルバム。
いわゆる同人音楽CDですが、メタルっぽいギター、弾きまくりなキーボード、
そして透き通るように綺麗な歌声(のボーカロイド)と、最後だけ変化球ですが、
それでも全体の仕上がりはなかなかのもの。同じ方向性でプログレ作ってる
バンドは日本のプロにもいないんじゃないでしょうか。自分も最初聴いた時は
ピンときてなかったですが、後から凄いことやってるサークルだと実感しました。
シメサバツイスターズは京都・関西を中心に活動する同人音楽サークルで
(個人サークルの模様)、主催で作詞・作曲・キーボード担当のシメサバさんは
HR/HM、フュージョン、プログレ好きとのこと。その影響を大きく受けた変拍子多めの
音楽とボーカロイドを使用した自由奔放な楽曲は、一癖も二癖もある曲者揃いですが、
変に凝り固まった懐古プログレにはない輝きがあります。
上記のクロスフェードデモの他、ニコニコ動画に多数動画が投稿されています。
アルバムはほとんどイベント販売のみという状況のため入手は難しいですが、
先述のニコニコ動画の投稿作を観るほか、次作のシスターグロテスク アンド ザ ロキソニック
ポップヘッドマザーズは若干在庫がある模様なので紹介を。シングル中心のアルバムですが、
なかなか面白いです。
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/11/09/040030110986.html
ということで、Frostっぽいプログレバンド紹介でした。ホントは
新生イット・バイトとか聴き込んでから書こうと思ったのですが、
それだと時間がかかりすぎるので…。機会があれば第2回もやりたいと
思います。