夢のまた夢 イタリアンプログレッシブロックフェスティバル3日目 レポート

2013年4月28日
 イタリアンロックフェスティバル2013もいよいよ最終日。
 正直、これで終わるという実感がない…。参加バンドも
いよいよ真打登場といった感じで、前日以上に緊張した
参加になりました。

F1020009.jpg

・マウロ・パガーニ
 イタリアを代表するプログレバンド・PFMの元メンバーにして
ヴァイオリン・フルート・ギター・ヴォーカル担当、近年は
プロデューサー業などイタリア音楽界の重鎮に位置する大物さん。
 正直自分はPFMがあんまり好きでもない人間なので
"とにかく凄い人"という印象しか無いのですが、やっぱり生で観ると
ホントに凄い人でした。

 幕が上がると正面左端からマウロ・パガーニ御大、ドラム、
キーボードの順に並んでいます。
1曲目はソロ作1stより「Violer D'amores」。ヴァイオリンの音色が奏でる
地中海風の独特の音色がたまらない1曲です。終了と共に凄い声援が。
やっぱりPFM人気って凄いなぁ…。
 ほぼ1曲終わるごとに丁寧に解説するパガーニ御大。
「40年近く前にPFMで来日した時の興奮は忘れられないよ」「PFMの時は
5人いたけど、それを3人で演奏するから大変だよ」というような旨を
仰っていました。

 その後もPFMの曲やソロ作品からバラード曲が演奏されるたびに
ファンから大歓声。PFMをもうちょっと予習しておけばよかったなぁ…と
軽く後悔。 驚いたのはキング・クリムゾンの「Moon child」が演奏されたこと。
突然の展開に歓声とどよめきが起こってました。「これは大好きな曲です」と
演奏終わってからパガーニ御大が言ってましたが、よく考えれば
グレック・レイクとPFMってマンティコア・レーベルの繋がりもあるしと納得。
こんなサプライズがあるなら、
オフィシャル・ブートレグも出ないわけだ。

 演奏は進み、パガーニ御大がギター・フルート・ヴァイオリンと忙しく
楽器を持ち替え、キーボードの人もアコーディオンに持ち替えて演奏するなど
テクニシャンぶりを余すことなく披露。パガーニ御大の歌声も素晴らしく、
イタリア中部地震の際にチャリティーで歌った「Donami」などが演奏されました。

 終了に向けて演奏は一気に加速。ソロ1stオープニングから「Europa Minor」が
流れると、会場大盛り上がり。パガーニ御大が椅子から立ち上がり、
あの難解なヴァイオリンのリフを完全に弾きこなしてました。
イタリアン・プログレでも地中海風な音楽って完璧に別物だと再認識。

Mauro Pagani 1978 01 Europa Minor


 アンコールは「celebration」が。噂の大合唱までは確認できませんでしたが、
それでも会場大盛り上がり。間奏でウィリアムテル序曲が無かったのが残念
でしたが、それでも生で演奏が観れただけで満足。
 最後にファンからの花束をサービスで客席に放り投げてパガーニ御大の
演奏終了しました。

・アレア
 本フェスのトリを務めるのは、イタリアン・ロックを聴く上で避けて通れない
要注意バンド。ディスクガイド等では地中海ジャズロックを演奏と紹介されますが、
その実態はあらゆるジャンルを融合させたアヴァンギャルド極まりない
唯一無二の音楽性で、70年代中期にはイタリアはおろかヨーロッパ最強と
噂されたバンドがアレアです。
 政治色も強く、アナーキーな所も含めて人気があったのですが、70年代後半に
絶対的なカリスマを誇ったヴォーカルのデメトリオ・ストラトスが病死し活動休止、
再始動後にもドラムのジュビオ・カピオッツォが亡くなるなど不幸が続きました。
それでも残りのメンバーで活動を続け、ついに日本という極東の地でアレアの
全貌が明かされる日が来たのです(なんかだんだん漲ってきた)。

 幕が上がると、ステージ中央の台座に一人で胡坐をかいて鎮座する
ギタリスト、パオロ・トファーニの姿が。周囲がドライアイスの霧と蒼い照明で
闇色になる中、一人だけ真上からスポットライトを浴び、緑色の法衣みたいな
衣装もあいまって、ホントに仙人としか例えようがない異様な神々しさ。
 1曲目は「Trikanta Suite」。2012年に発売されたライブ盤にも収録されていますが、
自作ギターによる前衛的な演奏とディジタルエフェクト、デメテリオを彷彿とさせる
妖しいスキャットによる演奏はかなりのインパクトがあります。全能感というか、
だだっ広い会場を一人で全部の操っていて、アヴァンギャルド極まりない感じ。

 演奏が終わると、いよいよメンバーが勢ぞろいして、1stのタイトル曲
「Arbeit Macht Frei」を演奏。あの無茶苦茶な変拍子を演奏しながら、
ピアノもギターもノリノリで掛け合いをブチ込んで来る余裕はどこから来るのでしょうか。不
安定なことがこんなに気持ちいいと思ったことはありません。

Area "Arbeit Macht Frei"


 演奏終了後、脇から通訳の方が出てきてアレアメンバーの挨拶。
「アレアにとってここで演奏できることは光栄です」
「アレアは1973年に生まれましたが、次の曲はその年に生まれていない
 人達に向けて作った曲です。1分20秒にアレアの全ての音楽が入っています」
 ということで演奏されたのは「Sedimentazioni」。先述したアルバムにも
収録されていましたが、観ると聴くのとでは大違い。前半こそインプロっぽく
メンバーが演奏していますが、いきなり照明が落ちて大音響のノイズが
会場を埋め尽くす…。全部の楽曲を重ねたらそうなるよねという話しですが、
その間もメンバー微動だにせず、逆光が当たるのみ。ホントにやりたい放題な
バンドだこりゃ。
 その後も汚染地帯から「Cometa Rossa」、亡きメンバーのために演奏した
「Gerontocrazia」など名演奏が続きましたが、圧巻だったのが「La Mela di Odessa」。
後半のほとんど怒号のようなトファーニのアジテーションが炸裂する様は異次元の域で、
こんなライブはアレアじゃなきゃ観れないと本気で思います。
 最後に1stより名曲「Luglio agosto settembre(Nero)」が演奏。前奏の際、
会場内の観客に持ってる鍵を鳴らしてもらうというパフォーマンスで、ヘブライ語の
女性の語りと場内の鍵の音が重なる様子は神秘的でした。
 演奏が終わって大拍手の中、アンコールでマウロ・パガーニ御大が登場。
期待はしていましたが、まさか本当に出てくるとは思わなかった。演奏曲は
クラック!より「Gioia e Rivoluzione」。明るく軽快なアコースティックナンバーに、
パガーニ御大のヴァイオリンが良く合います。最後はメンバー全員で
お辞儀、会場からは最後の幕が落ちるまで拍手が鳴り止みませんでした。

~戦い終わって~
 今振り返ると、ホントに夢みたいな3日間でした。絶対に損ではない公演だったので、
チケット取る際の即断即決ってホントに大事。
 今年に入ってからケヴィン・エアーズやピーター・バンクスなどプログレ関連の
アーティストの訃報が続いていて、今が全盛期のレジェンドの活動を見れる
最後の時期なんじゃないかと本気で思ってます。せっかく来てくれるんだから、
国内でももっとプログレ再評価が進んで、全体で歓迎できるムードが作れれば
いいと思うんだけど…。今回は色んな人に出会うこともできたので、そういう
仲間作りも進めていければと思います。参加した皆様、お疲れ様でした。

・おまけ
 アレアのメンバーと写真撮ってもらいました。
11041839_1931240519_20small.jpg

 また元気に日本に来て欲しいなあ…。
 今後もフェスの参加できた際はレポート残したいと思います。それでは。

 
 
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こんにちは。
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自己紹介

霜月便り(K1120、霜月廿日)

Author:霜月便り(K1120、霜月廿日)
K1120(代表):
絵描き志望。
プログレッシブロックを
糧になんとか生きてる
隠れオタク。
霜月廿日(副):
物書き志望。岩手在住。
多忙につき不在気味。
好きな作家は蕪木統文。

同人サークル「霜月便り」
プログレ布教サークル。
東方やMLP漫画や
同人音楽のプログレ
作品紹介、委託頒布。

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