2013イタリアンロックヒストリー 1日目レポート

 こんばんは。
 
 イタリアンロックヒストリーの1日目無事終了しました。
一体、年に何回クラブチッタに行ってるのかと・・・。
しかし、今回も非常に見応えのあるライブになりました。
忘れないうちにさっそくレポートを。

9月21日
 今回の公演はニュートロルスとアレアの二日間公演で、
両バンドとも二日間出演しますが、1日目はアレア、
二日目はニュートロルスがフル公演という、どちらを選ぶか
非常に迷うラインナップ。
 迷った揚げ句、二日間とも観ることに決めて、今年3回目の
北海道→川崎へ移動。

・ラ・ストーリア・ニュートロルス
 オーケストラとロックの融合を試みた作品は数あれど、
ここまで成功した鹿鳴館は珍しいと言っても過言じゃない
傑作「コンチェルトグロッソ」を生み出したニュー・トロルスが、
新作「コンチェルトグロッソ3」を引っさげて、おまけに
本物のオーケストラとの競演も交えて3度目の来日を果たすと
言うことで、盛り上がらないわけがありません。
 バンド名が微妙に違うのは、元メンバーとの間の裁判で
正式な名前が名乗れないというややこしい問題がありまして、
分裂したニュートロルスUT側も好きな自分にとっては、
できれば仲直りして欲しいのですが・・・。ついでに
「serching for a land」を演奏してくれれば死んでも良い。
 
 話題を戻しまして、開場10分前には席でスタンバイして
いたのですが、緞帳の奥から流れるストリングスのリハーサル音が
コンチェルトグロッソのイントロを思い出させ、開演前で
既に緊張気味。

 17:00少し過ぎ、照明が落ち、いよいよニュートロルスが登場。
 正面左端からドラムとベース、右端には総勢15名のオーケストラと
ニュートロルスメンバーの指揮者が1名控え、その隣にギター、そして
中央にフルート担当でリーダーでもあるヴィットリオ・スカルツィが
スタンバイし、威風堂々とした鉄壁の布陣に思わず溜息が。
(ちなみに、出演予定だったニュートロルスメンバーのニコさんは、
 体調不良のため来日できなかったと告知が。快復をお祈りします)。

 1曲目は新作「コンチェルトグロッソ3」から演奏。開演から
ヴィットリオの闇を払うような熟練の業が冴えるフルート、
完璧な演奏で聴く者を圧倒するオーケストラ、それに負け時と
弾きまくるロックギターとリズム隊の演奏が会場を震わせます。
 オーケストラとロックが渾然一体となった演奏は、まさに
コンチェルトグロッソシリーズの真骨頂。
 コンチェルトグロッソ1はオーケストラの、2はロックの
比重が大きい作風だと思いますが、3はどちらのバランスも
非常に良い作品です。アルバム聴いた時はそれほど気づき
ませんでしたが、生演奏で聴いてみると、決して潰し合わない
両楽器の編曲の妙に気づかされます。
 もちろん、歌モノも素晴らしい出来。ヴィットリオの他、
他のバンドメンバーもコーラスで大活躍。ニコがいないのは
残念ですが、その不在を感じさせない重厚さです。

 1曲目終了後、ヴィットリオの挨拶。
 「日本に来るのは3回目だけど、今回のコンチェルトグロッソも
同じ3なんだ」というようなコメントをされていました。
 しばらくコンチェルトグロッソ3の演奏が続きますが、
ヴィットリオさんはフルートをアコギに持ち替えアルペジオ弾いたり、
後ろのキーボードに廻って弾き語りしたり、他のメンバーのソロに
エア演奏バトルをしてみたりと八面六臂の大活躍。演奏意外の
パフォーマーとしても一流です。
 相変わらずオーケストラは一分の狂いもない完璧な演奏なのですが、
それに動じず余裕で合わせてしまうニュートロルスメンバーの演奏力と
剛胆さに、場数の多さを感じずにいられません。

 そして、いよいよコンチェルトグロッソ1の演奏。
「1971年に戻るよ」というヴィットリオのコメントで、場内の
緊張感が一気に高まり、あのアレグロの演奏が。気高きヴァイオリンの
旋律と、孤高のフルートの響きに会場が震える・・・。
 1年前のニュートロルスUTで観た時も感動しましたが、やはり
今回の演奏は別格。その後も「アダージュ」での泣きのギターソロ、
「カデンツァ」での鳥肌モノのヴァイオリンソロなど、名演奏が続きます。

 最後はコンチェルトグロッソ2。ヴィットリオの怪しい(?)
キーボード早弾きイントロから始まる楽曲「ヴィヴァーチェ」は、
クラシックとハードロックの要素が融合した傑作。何故かオリジナル盤は
日本発売されていないという・・・(輸入盤で出てる2in1のCDで聴けます)。
 最後の曲では疾走感溢れるドラムのハードロックに、
決めのコーラスワークと一糸乱れぬオーケストラ演奏が炸裂。最
後までエンターテイメントな演奏を楽しめました。というか、これで
フル演奏じゃないって、明日はいったいどうなるんだろう・・・。
 
 全体を通して、とにかくみんな楽しく演奏している姿が印象的でした。
童謡の「さくら」をギターアレンジして混ぜてきたり、ヴィットリオも
渋いグラサンかけてるわりに始終笑顔で笑いっぱなし。
フルートを拳銃に見立てドラムソロに被せてメンバーを銃撃する
パフォーマンスとか茶目っ気に溢れてて、オーケストラの人も
それ見て笑ってるし、観てるこちらも自然と笑顔に。
 ある曲でヴィットリオが何回かキーボード弾き直したり、
ギターの人が曲順間違えても場内は優しい笑いに包まれ、とても
和やかな雰囲気で演奏を楽しめました。イタリアって良いなあ。

・アレア
 今年4月のイタリアンロックフェスティバル初来日から5ヶ月、
早くもアレアが再来日。やはり熱心なファンが多いというか、
緞帳上がった瞬間に大きな歓声が。
 配置は正面左端からピアノ・キーボード、ギター、ベース、ドラム
という、4月の来日時そのままの姿。あの時は席が遠くてほとんど
見えなかったので、今回は演奏の様子がじっくりと観れます。
 またギターのトーファニが僧侶姿で宇宙的な演奏するのかと
身構えてましたが、1曲目は名曲「Arbelt Macht Frei」から演奏開始。
紳士的だけど影のあるベースの響き、流麗にピアノを弾く手の動きは
雪原を駆ける野兎が如く自由奔放、複雑なリズムに対し変幻自在に
密度を変える高い演奏力のドラムス、独自のエフェクトとスキャットが
混じる唯一無二のギター、アレアとしか表現できない混沌とした
ジャズ・ロックの演奏に、場内の空気はたちまち一変します。
あえて照明を天井ライトのみにして、表情や手元がはっきり伺えない
中で観客を音に集中させるという手法も面白い。

 演奏が終わり、4月と同じく通訳の人が袖から登場。キーボードの
パトリッツィオからのコメントを訳します。
「また東京に来れて嬉しいです。
 クラブチッタに来れたのは、特に他にすることが無かったからです」
という冗談に、場内が笑いに。
 今日は昔の曲を、明日は新しい曲をメインに別々の演奏を行いますと
プレゼンがありました。
 そして、「注意深く、ゆっくり聴いて下さい」と、あの
「Sedimentazioni」を演奏。1分20秒にアレアの全歴史を
詰めたという問題作で、もはや大音量ノイズの奔流に場内の時間が
止まります。4月のライブでも事件だったけど、赤い照明に浮かぶ
メンバーの姿は何度見ても衝撃的。

 間髪入れずに不穏なキーボード音から「赤い彗星」が演奏され、
転がりながら永遠に奈落に落ちるようなキーボードソロから、
あの粘っこいバルカン風味のリフが始まると、いよいよアレア劇場の
開幕を感じさせずにいられません。途中でゆったりとした
演奏に変調するのですが、まるで河の急流からゆったりとした
地底湖の流れにたどり着いたような展開で、しかし平穏に止まることを
知らない演奏は、常に革新を目指すアレアを代表する曲なのでは
ないかと感じずにいられません。

 その後もベースとギターの掛け合いによる実験的な
インプヴィゼーション、火花が散るようなスティック捌きの
ドラムソロに混じるスキャットなど、4月の公演では時間の都合で
力を出し切れなかったのではないか?と思うほどメンバーの
高い技術力が堪能できる演奏が続きます。

 亡きメンバー達に捧ぐピアノの歌曲から、代表曲である
長老政治~白い象のメドレーと続き、再びパトリッツィオが
マイクの前に。
 なにやら無言だと思ったら、ポケットからおもむろにリンゴを
取り出し場内騒然。これが噂のリンゴ食いパフォーマンスか!
 さっそくリンゴを囓り始めたと思ったら、他にもリンゴを囓る音が・・・。
気づいたらメンバー4人ともリンゴ囓り初めて、場内が再び騒然に。
 椅子にがっつり腰掛けてリンゴ食べたり、リンゴ持った手で
ポコンポコンとドラムたたいたり、志村けんのスイカ食いばりに
リンゴ囓ったり、観客にリンゴ投げたり、終いに中央にメンバーが
集まってくつろぎ始めたり、あまりの自由っぷりに観客は見守ることしか
できないという状況。
 リンゴを堪能したのか、とてもリラックスした空気からおもむろに
「la mela di Odessa」のイントロが流れ出すと、
場内が歓声の坩堝に。万雷の手拍子を確かめるようにベースが踊り、
もう一度キーボードのイントロが鳴り響くと、ファンクにも聞こえる
決めのリフに合わせ、いよいよトーファニが伝説を作った
アジテーション・ボーカルが炸裂。4月の公演に比べあんまり
静かなので体調悪いのかと思っていましたが、ただ自重してた
だけの模様で一安心。相変わらずやりたい放題で、また一つ日本に
歴史を残したパフォーマンスを披露していました。
 
 ラスト曲の「Lugio Agosto Settembre(Nero)」では観客と一緒に
鍵を慣らすパフォーマンスで場内を魅了。当然それで終わるわけがなく、
スタンディングオベーションの興奮のままアンコールへ突入。
 途中、ベースのパトリックがスピーカーに触れた拍子に上に乗ってた
アンプが落下するアクシデントがありましたが、他メンバーの演奏は
そのまま継続され、大きな影響もなく復旧。ヒヤリとしましたが、
今まで以上にソリッドな演奏が楽しめました。
 最後は4月にマウロ・パガーニも競演し会場が歓喜に包まれた
「Glolia E Rivoluzione」の場内大合唱。来日2回目にして、
もう風物詩として十分定着したのではないかと思います。
明日の演奏も楽しみで仕方ない。

 ということで、1日目のレポートでした。ホントに今日もあるのか?
と思うほど濃い内容の演奏でしたが、最後まで刮目して見届けたいと思います。

おまけ
 ヴィットリオさんにはコンチェルトグロッソ3のCDにサインを
頂きましたが、「これは今までで一番良いアルバムだよ」と笑顔で嬉しそうに
答えていたのが印象的でした。

 とりあえずこのへんで。

 
 


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霜月便り(K1120、霜月廿日)

Author:霜月便り(K1120、霜月廿日)
K1120(代表):
絵描き志望。
プログレッシブロックを
糧になんとか生きてる
隠れオタク。
霜月廿日(副):
物書き志望。岩手在住。
多忙につき不在気味。
好きな作家は蕪木統文。

同人サークル「霜月便り」
プログレ布教サークル。
東方やMLP漫画や
同人音楽のプログレ
作品紹介、委託頒布。

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