ATBジャパグレの投票曲解説

こんにちは。

いろいろ仕事面でゴタゴタがありましたが、ようやく
落ち着いてきました。まだ夏コミ疲れを引き摺っている
様子なので、とりあえず冬の原稿を進めねば。

現在、twitterでプログレ好き有志によるATBジャパグレという
企画が行われています(ATBはAll Time Bestの略)。
英「PROG MAGAZINE」誌が選ぶプログレアルバムTOP100を受けて、
「それでは日本人ツイッターユーザによるランキングだとどうなるのか」
ということで、日本のプログレバージョン選ぶと言うもの。
(元ネタのTOP100はこちら http://amass.jp/44077)
私もプログレ好きの一人として投票してみました。結果はこちら。

1位 As/Hi Soundworks / 散花浄刹 ~rapid Ensamble 5~
2位 フライド・エッグ / Dr.シーゲルのフライドエッグマシーン
3位 銀霊譜 / 鏡星
4位 J・A・シーザーと悪魔の家 / 身毒丸
5位 school food panishment / Prog-Roid
6位 四人囃子 / 一触即発
7位 ページェント / 夢の報酬
8位 シメサバツイスターズ / Progrrematica
9位 リシャール・ピナス,吉田達也 / WELCOME IN THE VOID
10位 結月そら / notstos*algos

 並べてみると、70年代ニューロックから、80年代黄金期ジャパグレ、
ボカロや東方の同人音楽まで同じ枠に入ってしまう暗黒闇鍋状態。
あらためてプログレというジャンルの懐の広さ・業の深さ、
説明の難しさに嘆息します。
ということで、投票ついでに選評もしてみます。

10位 結月そら/notos*algos 

 2010年発表。
 結月そらが作詞・歌唱を務めるサークル「Soranetarium」の
アルバム3部作最終作。星の数ほど女性ボーカルが居る同人音楽で
一枚を選ぶのに悩みましたが、このアルバムの持つ温かな
優しさは別格です。優しい時計は永遠の名曲。

9位 リシャール・ピナス 吉田達也/Welcome in the void

 2014年発表。
 日本が誇る異才のドラマー・吉田達也と、エルドンのギター担当が
コラボした近年稀に見る強烈な一枚。無限に繰り返される
ギターのスペーシーな唸りと、暴風雨のように荒れ狂い刻まれる
ドラムの圧倒的なインプロ合戦は、言葉にできない孤高の存在感があります。

8位 シメサバツイスターズ/Programatica


 2010年発表。
 ニコニコ動画を中心に活動するボカロP/シメサバの個人サークル。
プログレメタルなアルバムですが、過度なテクニックに偏らず、
ボーカロイドのポップさとプログレらしい複雑な構成を見事に融合させた
稀有なセンスは唯一無二。Imperfect Quartersの終章から
ラストアンコールの流れは本当に最高。

7位 ページェント/夢の報酬


 1989年発表。
 大阪を中心に活動した、80年代ジャパグレ黄金期の代表的存在。
螺鈿幻想の方が人気だと思うけど、聴き易さとバランスはこちらの方が好み。
ボーカル・大木理沙がライナーノーツに書いていたコメントも印象深かったです。 

6位 四人囃子/一触即発


 1974年作。 
 日本のピンクフロイドと呼ばれたバンドが残した、日本ロック史に
残るであろう傑作。演奏力もさることながら、やはりこの時代の
日本語歌唱は他の言語には無い魅力や郷愁があると感じさせられます。
あと、一番の聞き所は表題曲より「おまつり」だと思う。

5位 School food panishent/Prog-Roid


 2011年作。
 どうしても70年代に帰結してしまう懐古・閉鎖的な
プログレ界において、最も現代的に変化したプログレ音楽というのが
存在するなら、このバンドの存在を無視することはできないと感じます。
デジタライズされたプログレという音楽性は、新時代のプログレを
提唱するのに十分過ぎるテーマであり、歌唱、演奏力とも抜きん出る
存在だっただけに、解散が惜しまれます。

4位 J・A・シーザーと悪魔の家/身毒丸


 1978年作。
 寺山修司率いる劇団・天井桟敷の公演を収録した作品。
冒頭の慈悲神鳥を夜中に一人で聴いてた時、突然始まる絶叫で
椅子から転げ落ちそうになったのは良い想い出。日本の生々しい
土着文化・民族信仰を、アングラ芸術という時代の鋳型と
ハードロックに押し込めた本作の禍々しい異形は、ニューロックを
芸術の域に高めた怪作と言える必聴盤です。

3位 銀霊譜


 2011年作。 
 月読レコードを主催する翡翠のプロジェクト。
数ある民族音楽系プログレでも、日本古楽とロックの融合という
難しい題材を達成させた、間違いなく最高峰に位置する一枚だと思います。
アイヌ文化を基調とした40分超にも及ぶ壮大な組曲の世界は、
まさに同人音楽・プログレでしか表現できない逸品です。

2位 Dr.シーゲルのフライドエッグマシーン

 1972年発表。
 成毛滋、角田ヒロ、高中正義という日本音楽界の異端・怪物・重鎮が
ロック黎明期に結成した化物バンド。日本らしいニューロックの荒々しさと、
ブリティッシュロックの洗練された音楽性を見事に両立している一枚で、
何故に低評価なのかわかりません(洋楽丸パクリな音楽性とか、
曲芸な域のギター演奏とか、ロック好きの言いたいことは分かるけど)。
センス・演奏力と無視できない好盤。

1位 散華浄刹 ~Rapid Ensemble 5~
   

 2013年発表。
 柊秀雪が主催する東方音楽アレンジサークル。
 完成度で言うなら他の選評作には落ちますが、今まで選んだ
アルバムの要素が全て備わっている期待すべき一枚です。
ジャパグレらしい様式美や物語性、プログレの固定観念に囚われない
現代らしく自由な音楽、なにより現在進行形で紡がれる瑞々しい創作に、
自分がプログレの魅力と思っているものが全て存在しています。
今後が最も期待できるアーティストです。

 というわけで、無駄に長い選評でした。世間一般的な
プログレ観とはだいぶ離れているだろうけど、後悔はしてません。
最終的な選考結果が楽しみです。
 悩んだ結果、選出漏れしたアルバムも何枚かありますので、
後ほど選評したいと思います。

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霜月便り(K1120、霜月廿日)

Author:霜月便り(K1120、霜月廿日)
K1120(代表):
絵描き志望。
プログレッシブロックを
糧になんとか生きてる
隠れオタク。
霜月廿日(副):
物書き志望。岩手在住。
多忙につき不在気味。
好きな作家は蕪木統文。

同人サークル「霜月便り」
プログレ布教サークル。
東方やMLP漫画や
同人音楽のプログレ
作品紹介、委託頒布。

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