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書評「D列車で行こう」

 前回紹介した鉄道本に続き、読んで貰いたい本を紹介。

「D列車で行こう」阿川大樹

 赤字ローカル線を救うため、退職して会社まで立ち上げた男女3人組の
活躍を描いた作品。もとは2007年に刊行された本の文庫化だそうですが、
「赤字路線を救う」という切り口で書かれた小説は珍しく、物語を楽しみながら
鉄道経営についての専門用語・知識も学べてしまう作品。全国ローカル線の
窮状に興味のある方は、より深く知る為のとっかかりとして非常に役立つのでは
ないかと思います。
 本編の方は、主役となる3人組-NBA取得の女性ミュージシャン、良心的な
融資で零細企業を救ってきた元銀行支店長、鉄道オタクのリタイア官僚が
それぞれの能力を活かし、互いにアイディアを出し合いながら枠に囚われず
活動していくという、こんな仕事ができたらどんなに愉しいだろうと、羨ましく
思います。加えて、3人の行動に触発され前向きに動き始める地元の人々の様子など、
読んでいて思わず涙する場面も。みんなが守る地域の鉄道、実際には地方私鉄の
現状はとても大変なことだけど、絵空事で終わらせないためにはどうするか?
ひとつの答えがこの小説に眠っているような気がします。
 個人的には元銀行支店長が舞台となる鉄道の魅力(可能性)に気付いていく
シーンが好きです。”零細企業を救ってきた”という伏線も活きているし、
小説としても十分楽しめると思います。

align="center">D列車でいこう (徳間文庫)D列車でいこう (徳間文庫)
(2010/07/02)
阿川 大樹

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「D列車でいこう」阿川大樹

廃線が決定したローカル鉄道を救いたいと、退職した上に会社を創ってまで田舎町にやって来た三人組。MBA取得の才色兼備銀行ウーマン。町工場相手に良心的融資を実践する銀行支店...

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霜月便り(K1120、霜月廿日)

Author:霜月便り(K1120、霜月廿日)
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K1120(代表):
絵描き志望。
プログレッシブロックを
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隠れオタク。
霜月廿日(副):
物書き志望。岩手在住。
多忙につき不在気味。
好きな作家は蕪木統文。

同人サークル「霜月便り」
プログレ布教サークル。
東方やMLP漫画や
同人音楽のプログレ
作品紹介、委託頒布。

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